というのは、物価の水準によって、ハッピーリタイアメントに必要な金額が変わってくるからです。
個人投資家は、物価の動向に最大の関心を払わなければなりません。
かんたんにいえば、景気がよければ物価は強くなり、景気が悪くなれば物価は弱含みます。
景気がいいということは、所得が増え、消費意欲が強いということなので、モノやサービスの値段が上がりやすくなるのです。
反対に、景気が悪いと、所得は伸び悩み、消費意欲は減退しますから、モノやサービスの値段は下がりやすくなります。
「景気がいい=物価高」「景気が悪い=物価安」ということです。
これが物価の第一原則です。
また、モノやサービスの値段は、基本的におカネとの相対関係で決まるという面もあります。
したがって、経済規模に比べておカネの量が増えてくると、物価が上がりやすくなり、インフレになる可能性が増します。
一方、おカネの量が相対的に少なくなると、デフレになる可能性が増します。
「おカネが多い=物価高」「おカネが少ない=物価安」ということです。
これが、物価の第二原則です。
先ほど金利の話をしましたが、おカネを持っている人は、モノを持っていた場合の値上がり益と同等の金利をもらおうとします。
もし、モノを持っていたほうが有利なのであれば、おカネを貸すのではなく、モノを買って値上がり益を狙おうとするでしょう。
反対に、モノの値段が下がり気味のときは、モノを買って値上がりを待つという戦法がとれませんから、それほど金利を要求できなくなります。
つまり、物価と金利のあいだには、物価が上がると金利が上昇し、物価が下がると金利が下降するという基本的な関係があるのです。
「物価高=高金利」「物価安=低金利」ということです。
これが物価の現状にあてはめてみましょう。
日本では、経済実態に比して、おカネが多く出回っています。
本当にジャブジャブの状況です。
その点から言えば、物価の第二原則「おカネが多い=物価高」に基づいて、インフレになってもおかしくないのですが、これまでは経済の元気がなかったので、物価の第一原則「景気が悪い=物価安」の影響が強く働いてきました。
それに加えて、金利の第一原則「景気が悪い=低金利」と第二原則「おカネが多い=低金利」が働いていたため、金利に強烈な下げ圧力がかかってきたのです。
その結果、物価の第三原則「物価安=低金利」の効果もあいまって、インフレどころか、デフレ圧力に悩まされてきたのが、日本経済の状況でした。
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